《千葉詩話会》実施 報告 H
コミュニティまつり参加
現代詩の会 プログラム
千葉県詩人クラブ 千葉市詩話会 無名の会
10月21日(土)千葉市中央コミュニティセンター
5階 講習室2
(10:15分~)
司会 千葉県詩人クラブ理事長 村上久江
挨拶 千葉県詩人クラブ会長 秋元炯
〇詩画展 9:30から
パネル展示
詩作品 プラス絵画・書・写真
詩書 県内詩誌、詩集、稀覯本
〇文芸講演 宮田直哉 10:30から
「四季派最後の詩人 野村英夫の生涯」
参加団体挨拶 11:30から
無名の会・庄司進
朗読 (随時)
〇詩の合評 13:00から
進行 千葉市詩話会・根本明
自作詩の発表と合評会
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コミュニティまつりに参加 詩話会の報告
2023年10月21日(土)詩話会は千葉県詩人クラブと共催で千葉市中央コミュニティセンターのコミュニティまつりに参加しました。
今回は同館を使用している無名の会から参加の申し入れがあり3つの会の共同開催の形としました。
会場は5階講習室2。午前9時過ぎから詩画や詩誌などのパネル展示を開始。
10時半から詩話会のメンバーでもある村上久江・千葉県詩人クラブ理事長の司会で現代詩の会を始め、
同じく詩話会メンバー、秋元炯・同会会長の挨拶。
同会会報編集長である宮田直哉さんの講演「四季派最後の詩人 野村英夫の生涯」がありました。
野村英夫(1917~48、東京赤坂区生まれ)は追分の油屋旅館で立原道造と知り合い、
「風立ちぬ」終章を執筆中の堀辰雄を紹介された。
1942年に「四季」に詩を発表、編集にも加わる。失恋と病でカトリックに近づき43年洗礼。
戦後、詩誌「カナリア」創刊を企図。47年、手書き詩集「詩祭館」を堀辰雄などに配る。48年肺結核で死去。
宮田さんは詩誌「カナリア」の編集者、野村の抒情を継承しようという若手詩人です。この戦時下に病みながら青春を送って
志半ばで短い生を終えた抒情詩人に深い共感を持ち続ける稀有な志のある詩精神を見た思いです。
宮田直哉さん
詩集『司祭館』から「心のなかで」
陽を受けた果実が熟されてゆくやうに
心のなかで人生が熟されてくれるといい。
さうして街かどをゆく人達の
花のやうな姿が
それぞれの屋根の下に折り込まれる
人生のからくりと祝福とが
一つ残らず正しく読み取れてくれるといい。
さうして今まで微かだつたものの形が
教会の塔のやうに
空を切つてはつきり見えてくれるといい。
さうして淀んでゐた繰り言が
歌のやうに明るく
金のやうに重たくなつてくれるといい。
午前は無名の会・庄司進氏の挨拶で終わり、昼食後、各団体の展示や催しを見て回りました。
午後1時から参加者の自作詩朗読と合評会。朗読作品;
村上久江「今日 わたしは」、廣瀬佳「誕生日」、片岡伸「時の光」、岡田優子「道」、松田悦子「振動」
長沢矩子「友だち」「なかなか」、秋元炯「へびいちご しげる」、伊藤信昭「待つ」、池田久雄「アリとキリギリス」
志賀アヤノ「カラスビシャク」、庄司進「爺さんと犬」、根本明「蓮池という地名」
「カラスビシャク」志賀アヤノ
公園で幼なじみの花を見つけた
遠い昔 田植えも茶摘みも親族総出だった
柿若葉の下に集う骨休みの時間は
子供たちは仕事ぶりを褒められ
軽食が並び 遠足のようで楽しかった
稲田を渡る風が木漏れ日を揺らす足元に
蛇になりたかったような草が
細長い舌を頭巾型の頭上高く伸ばし
すっくと地面から立ち上がっていた
草丈二十センチほどの蛇に似た花が
公園の遊歩道脇に一本立ち上がっていた
ラジオ体操の帰りに見つけ 覗き込む
懐かしさに右から左から眺めていると
足を止める人 人 人
えぇっ これが花ですか?
名を思い出せず 説明できなかったから
人を堰き止めてしまったようだ
蝮草や浦島草と同じサトイモ科と伝えれば
口々に雑談が始まった
一本の草を囲んで 今朝は話の花が咲いた
退職後の日課目標「運動」と「会話」を
朝のうちに果たせて気分よく帰れば
生垣の前で花の名が 閃いた
カラスビシャク
話の種が掴めたようで心が浮き立つ
この種で明朝も花が咲きそうだ
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参加者18名。他に参加者 大掛史子、辻純子、中川雅行、萩原寿美子、斎藤礼子。
(根本明・記)
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