千葉市 詩話会》実施 報告 〈M 〉

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14周年記念例会

岬 多可子さん講演

                                           2025年6月15日(日)13:30~ 幕張公民館第2会議室にて


    岬 多可子さん講演 「現代詩ラ・メールとわたし~新川和江さんと吉原幸子さん、その人物とことば~」


          *岬多可子 1967年、いすみ市生まれ。1990年ラ・メール新人賞。
           詩集;『桜病院周辺』(高見順賞)、『静かに、毀れている庭』(小野市詩歌文学賞)、
             『あかるい水になるように』(大岡信賞)、ほか。千葉市詩話会会員。
          *「現代詩ラ・メール」 1983年4月創刊~1993年3月終刊。季刊で10年間40冊を刊行。

             20号まで思潮社、後半20冊は書肆水族館から発行された。責任編集:新川和江・吉原幸子。
              参考;棚沢永子著『現代詩ラ・メールがあった頃』(2023年・書肆侃侃房)

 

 

▼「ラ・メール」に出会ったのは高校3年生の頃。発刊から3年経っていた。大学入学後、カルチャーセンターで吉原幸子の講座に参加。
        吉原が題を出して受講生が3行詩を作り、その作者を当てる、といった授業もあった。
        かつて女優として活躍した吉原には熱心なファンも集まった。

吉原の「よい詩とはどういうものか」の4つの分類……①(意味が)わかって驚ける詩、②わからないが驚ける詩、③わかるが驚けない詩、
                           ④わからないし驚けない詩。①を目指したい。

▼水田宗子『吉原幸子 秘密の文学』(2023年・思潮社)によれば、吉原の文学には吉原が抱えていたふたつの秘密に加え、
            「権力の暴力によってもたらされた被害者としての秘密」が通底している。


新川和江は多くの人と関わり影響を与えた詩人。新川から受けた教えとして——「もっとノンシャランと書くように」。
               そして辞書を引くこと、本を読むこと、外国語を学べ、などと教えられた。

新川の『ひきわり麦抄』(1986年・花神社)は、詩法や詩作を詩そのものであらわしている。広く詩に関わろうとする者たちへ
             向けてのメッセージとして受け止める。
▼強く心に刻まれている新川の教え「あのような詩を書く必要はない、このような詩をまっすぐ読者に差し出すこと」

▼「ラ・メール」は、女性による女性のための詩誌、運動体として大きな文学史的意義を持つもの。そのことを繰り返し伝えていきたい。

               参考作品として添付・朗読
               吉原幸子「無題(ナンセンス)」、「発光」
               新川和江「わたしを束ねないで」、「欠落」

 

発表作品: 

大掛史子「アライグマラスカルの果て」、片岡伸「裸木」、樋口冨士枝「春キャベツ」、
廣瀬佳「スペインの旅」「マドリッドのプラド博物館」、
池田久雄「予備軍」、降籏りの「海の遺影」、朝倉宏哉「韓国の首都」、よしおかさくら「夕飯の相談」、
庄司進「浜辺のレストラン」、村上久江「遠い日の少女は」、秋葉信雄「遠い指輪」、
松田悦子「ぬれ落ち葉に一輪のつゆ草」、根本明「稲毛の浜で2」

参加者: 山中真知子、白井恵子、薄井清美、黒田忠也、植松礼子、常松史朗。

 

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